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海外税制悪用、1億3千万円脱税容疑で社長告発(読売新聞)

 シンガポールに住む知人の所得を装って、不動産取引の仲介で得た報酬を隠し、約1億3000万円を脱税したとして、東京都内の会社社長が、東京国税局から所得税法違反の疑いで東京地検に告発されたことがわかった。

 シンガポールでは国外で発生した個人所得が原則非課税で、日本では非居住者(国外居住者)の個人所得の税率が居住者より低くなることを悪用した手口とみられる。国税当局は、海外にまたがる資金の捕捉に対し、より厳密なチェックを迫られそうだ。

 関係者によると、告発された医療用具メーカーの社長(61)(東京都北区)は2006年、東京・六本木の再開発予定地にあった7階建てビルの取引を仲介。同ビルを購入した不動産会社から報酬として受け取った個人所得約3億8000万円を隠し、所得税約1億3000万円を脱税した疑い。

 社長は、仲介の報酬は自分に帰属するにもかかわらず、不動産会社に対し、会社の同僚でシンガポールに居住する男性役員(74)が受け取るべきものと説明し、この役員が日本の銀行に開設した非居住者用の口座に振り込ませた。その後、同口座から約3億円が借入金名目で社長側の口座に流れたとみられる。また、シンガポールの金融機関の役員名義の口座にも数千万円が送金されていたという。

 日本では、所得税の最高税率は40%だが、非居住者の人的役務の提供に対する報酬の場合には、20%が源泉徴収されるにとどまる。しかし社長側は、日本では両国の租税条約に基づき免税が適用されるという、実態とは異なる免税届を税務署に提出し、納税を免れていたという。

 同ビルの売買を巡っては、都内の工作機械メーカーの社長(57)(渋谷区)が06年、不動産会社から受け取った立ち退き料などを赤字だった同メーカーの法人所得に付け替え、個人所得約2億1000万円を隠して所得税約7000万円を脱税したとして同局から所得税法違反容疑で同地検に告発されたことがわかった。

 関係者によると、両社長は同局の調査に容疑を否認しているとされ、申告納税を済ませていないとみられる。読売新聞は自宅に質問状を届けたが、8日夜までに回答はなかった。

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