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たこフェリー「あさなぎ丸」 あす最終航海 18年の思い かじに込め(産経新聞)

 兵庫県明石市と淡路島を結ぶ明石淡路フェリー(本社・明石市、愛称「たこフェリー」)の「あさなぎ丸」が28日、18年間の営業航海を終了する。阪神大震災時は救援物資の緊急輸送船として活躍したが、高速道路の割引制度による経営悪化で、売却されることになった。高速道路の割引開始から約1年。タイでの“第二の航海”を前に、最終航海日は処女航海時から船長を務める大手正高さん(47)が万感の思いを胸にかじを取る。

 あさなぎ丸は全長約65メートル、1381トンで467人乗り。平成3年、15億円以上をかけて広島県東広島市の造船所で建造された。同社が所有する3隻のフェリーのうち最も新しい船として、明石港と淡路島の岩屋港を年間約4500往復するなど利用者に親しまれてきた。

 それでも、昨年3月20日から始まった高速道路料金の土日祝日の「上限千円」の影響で、同社の昨年の売り上げは前年比でほぼ半減。資金繰りが悪化した同社は今年1月、あさなぎ丸をタイのフェリー会社に約1億5千万円で売却し、運航は残りの2隻で続けることになった。

 「『入社』した年もほとんど一緒で、造船所のあさなぎ丸が鉄板1枚だったときからの付き合い。やっぱり、愛着がありますね」と、建造時の工務監督を務め、18年間にわたってあさなぎ丸の船長を務めてきた大手さんは話す。

 阪神大震災では、地震発生1週間後から、あさなぎ丸に船長として乗り組み、明石港から地震で被害を受けた淡路島北部に仮設トイレや食料など救援物資を緊急輸送した。

 船員が足りず、機器の点検も不十分だったが「船乗りとして『こういうときこそ頑張らなければ』と船を出した」と大手さん。

 熊本県天草市出身。父親を含め、親族は皆、船員という家庭で育ち、2年10月、同社の前身となる「明岩海峡フェリー」に入社した。

 あさなぎ丸の船長は6人の社員が持ち回りで担当している。「最後の航海の日に、たまたま船長として乗り組むことができて幸運だと思う」。大手さんは言葉に力を込めた。

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